先日、京都・奈良へ桜見物に出掛けました。たくさんの名所を回りましたが、特に印象深かった三ヵ所のことをお話ししようと思います。
毘沙門堂門跡の桜 今回の旅は3日間で京都・奈良を巡るもので、まず一日目は京都から。最初に訪れたのが毘沙門堂。京都山科にあるこの寺院は、城郭並のしつらえをしており、江戸時代は京都の町を護る役割をしていたそうです。 訪れてみると、生憎の雨。しかし、古都は異空間なのでしょうか?雨にも趣を感じてしまうとは…。境内の枝垂れ桜の散りかけた様子、散った桜がじゅうたんのように落ちている様子、山門までの石畳が所々苔むしている様子…これらの景色に、ある種の尊敬の念を持ちました。普段、ビルに囲まれた生活を送っているのでより一層、感じ入ってしまったのかもしれませんね。 そして次はこの旅のメインである吉野山の桜見物です。 |
吉野山の桜
皆さん、奈良の吉野山をご存じですか?国の史跡・名勝。また信仰登山の根拠地でもあり、2004年7月、『紀伊山地の霊場と参道』としてユネスコの世界遺産に登録されました。歌舞伎の『義経千本桜』でも有名です。その吉野山は昔から桜が多く、約3万本の白山桜が密集しており「一目千本」と呼ばれています。
ある時、ふと「生きているうちに何回桜を鑑賞できるんだろうか?」と考えてしまいました。仕事に追われる日々でしたが、今回ようやく渇望していた吉野山の桜巡りが実現したのです。
早朝、宿泊先の奈良ホテルを出発し、午前10時前には到着。以外にも観光客は少なく、ゆっくり参道を歩くことが出来ました。有名な吉永神社から見た下千本の景観は言葉を忘れるくらい見事なものでした!!山上はまだつぼみで4月下旬には開花するようです。
日本人は昔から桜に特別な思いがあるような気がします。ただ春を象徴している花木ではなく、花びらが中間色で(欧米はチューリップのような原色を好む傾向に思います)、咲いている期間も短いので、何か神木のよう…。
と、考え事をしながら鑑賞しているうちに、いつの間にか観光客が増えて参道は朝の東西線並みに混雑に。土産物屋を冷やかしながら次の桜名所に向かいました。皆さん、吉野山に行くのは、朝早く行くか、吉野山で宿泊するのが良いですよ。
この光景は 一生忘れられません |
ついでにお店の方から聞いたのですが、平安時代は雪景色の方が有名だったらしく、百人一首にも
朝ぼらけ 有明の月と みるまでに 吉野の里に 降れる白雪 坂上是則
という雪の歌がありますよね。
南禅寺の桜 先ほど書いたように念願の旅行だったので、ホテルも奮発!場所は京都東山。そしてスィートルームに宿泊。この部屋には専用の会食ルームが用意されており、優越感を感じながらの朝食となりました。最上階は景色はなんと素晴らしいのでしょうか! 気分良く、食事を済ませた後は、有名な京都五山の中でも別格扱いの南禅寺へ。 山門をくぐると、法堂に行く続く道の桜はすでに散っていましたが、所々にある桃色の枝垂れ桜が禅宗のお寺と見事に調和していました。特に築地塀につながる桜には、朝早い時間にもかかわらず、カメラマンの列が出来ていたくらいです。ここでもやはり言わせてください。桜巡りは夜桜見物を別にして朝早いほうが良いですよ。 |
2泊3日の桜巡りでしたが最後は心地良い桜疲れになりました。旅行のパートナーは大地真央似(?)の奥様です。残念ながら肖像権の関係から写真は掲載できませんが。
この文章で一緒に古都の桜を感じて頂ければ幸いです。私にとって旅はリフレッシュの源です。他にも趣味はありますが、旅は元気回復には一番効果があるような気がします。皆さんもどんどん素敵な旅に出てください。そして今度は是非、皆さんの旅のお話も聞かせてください。
H.I